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【Oracle Cloud】ネットワーク・ソースとネットワーク・ペリメータの違いと注意点

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2026.05.25

こんにちは、k.katoです。
今回は、「ネットワーク・ペリメータ」と「ネットワーク・ソース」の違いについて整理してみます。


そもそも何が違うの?

2つは名前が似ていますが、機能するレイヤーが異なります。整理するとこうなります。

ネットワーク・ペリメータ ネットワーク・ソース
機能するレイヤー 認証(Authentication) 認可(Authorization)
いつ評価されるか OCIコンソールへのサインイン時 OCIリソースへのAPIリクエスト時(コンソール操作・CLI・SDKすべて含む)
何の設定と組み合わせるか Identity Domainのサインオン・ポリシー IAMポリシーの条件句
設定場所 アイデンティティ・ドメイン > セキュリティ アイデンティティおよびセキュリティ > ネットワーク・ソース

以降で、それぞれをもう少し詳しく説明します。


ネットワーク・ペリメータとは

ネットワーク・ペリメータは、Identity Domain(アイデンティティ・ドメイン)の機能です。

「OCIコンソールにログインする」という操作は、「Identity Domainへの認証(サインイン)を行う」ことを意味します。コンソールのURLにアクセスしてユーザー名・パスワードを入力する一連のプロセスは、Identity Domainが管理しています。

ネットワーク・ペリメータは、このサインイン(認証)のタイミングで評価されます。具体的には、Identity Domainの「サインオン・ポリシー」のルール条件として使用します。

💡 サインオン・ポリシーとは
ユーザーがIdentity Domainへサインインする際に、どのような条件のとき・どのような認証(MFAなど)を要求するかを定義するポリシーです。ルールは優先度順に評価され、最初に条件が一致したルールのアクションが適用されます。

設定場所

例えば、「社外のIPアドレスからのサインインは拒否する」という制御を実現したい場合、以下の流れで設定します。

1. ネットワーク・ペリメータで「許可するIPアドレス」または「拒否するIPアドレス」の範囲を定義する


2. サインオン・ポリシーのルールに、作成したネットワーク・ペリメータを条件として割り当てる

3. 条件に一致した場合のアクション(許可 / 拒否 / MFA要求)を設定する

Point
ネットワーク・ペリメータ単体では何も制御しません。必ずサインオン・ポリシーのルールに組み込むことで初めて機能します。

⚠️ 注意

デフォルト・ドメインのAdministratorsにネットワーク・ペリメータをつける際は、ブレーク・ガラスのOCI仕様も把握しておきましょう。

詳しい記事はこちらから


ネットワーク・ソースとは

ネットワーク・ソースは、IAMポリシーの機能です。Identity Domainがログイン(サインイン)の管理を担うのに対し、IAMポリシーはログイン後に「どのリソースで何ができるか」の権限を管理する仕組みです。ネットワーク・ソースはこのIAMポリシーの中で機能します。

こちらが制御するのは、「認証済みのプリンシパルがOCIリソースを操作する際の認可」です。CLI・SDK・REST APIはもちろん、コンソール上でのぽちぽち操作も内部的にはREST APIが走っているため、すべてが評価の対象になります。

ネットワーク・ソースは、IAMポリシーの条件句として参照します。

例えば、「社内ネットワークからのリクエストのみ、インスタンスの操作を許可する」といった制御が可能です。

POLICY 構文
allow group CorporateUsers to manage instance-family in tenancy where request.networkSource.name='corpnet'

設定場所

OCIコンソールのナビゲーション・メニューから、以下の順に進みます。

アイデンティティおよびセキュリティ → ネットワーク・ソース

CIDR表記も、IP単体でも可能。パブリックIPしか指定できない点に注意。

💡 指定できるIPアドレスの種類
ネットワーク・ソースには、パブリックIPアドレス(CIDR表記含む)VCN内のIPアドレスの2種類を指定できます。VCNを指定する場合は、VCNのOCIDとサブネットのIPアドレス範囲を組み合わせて設定します。

アイデンティティおよびセキュリティ → ポリシーで、作成したネットワーク・ソースを用いたポリシーステートメントを記述する

このようにwhere request.networkSource.nameによって指定することが可能です


セキュリティ設計での注意点

① ネットワーク・ペリメータはCLI・SDK・REST API操作に効かない

ネットワーク・ペリメータは、CLI・SDK・REST APIによる操作には効きません。
評価されるのは「Identity Domainへのサインイン(コンソールへのログイン)」のタイミングだけです。
APIキーを使ったCLI操作やSDKによるリソース操作は、Identity Domainのサインインを経由しないため、ネットワーク・ペリメータの設定は関係しません。

⚠️ 設計上の注意
「社外からのコンソールアクセスをネットワーク・ペリメータで制限した」としても、APIキーさえ持っていれば社外からCLI/SDKでリソース操作が可能な状態が続きます。セキュリティ要件が厳しい場合は、ネットワーク・ソースをIAMポリシーに組み込む制御もあわせて検討してください。

(もしくはAPIキー等を作らせない、根本的な対処として、各ユーザーの「ユーザ機能の編集」からローカルパスワード以外の不要な機能をOFFにする、などを検討する必要があります。)

② ネットワーク・ソースの管理ポリシーはルート・コンパートメントに置く必要がある

ネットワーク・ソースはテナンシレベルのリソースのため、管理権限のポリシーは in tenancy と記述する必要があります。

この記述はルート・コンパートメント上にあるポリシーにしか書けません。(子コンパートメントでin tenancyは指定不可)

コンパートメント単位でポリシーを分けて管理する設計をしている場合、ネットワーク・ソースの管理ポリシーはルート・コンパートメントに置く必要がある点に注意してください。

POLICY 例
✅ allow group SecurityAdmins to manage network-sources in tenancy
❌ allow group SecurityAdmins to manage network-sources in compartment SomeCompartment

終わりに

ネットワーク・ペリメータとネットワーク・ソースは、どちらもIPアドレスによるアクセス制限を実現する機能ですが、機能するレイヤーが異なります。

  • ネットワーク・ペリメータ → コンソールへのサインイン(認証)を制御。Identity Domainのサインオン・ポリシーと組み合わせて使用します。
  • ネットワーク・ソース → OCIリソースへのAPIリクエスト(認可)を制御。IAMポリシーの条件句として使用します。

コンソールアクセスだけを制限したい場合はネットワーク・ペリメータで十分ですが、CLI/SDKも含めてリソース操作を制御したい場合は、ネットワーク・ソースが必要です。セキュリティ要件の高い環境では、両方を組み合わせることで多層的な制御が実現できます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!この記事が皆様の設計・運用の参考になれば幸いです。


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