こちらの記事は、Oracle Cloud Infrastructure Advent Calendar 2021 の Day 16 として書いています。
こんにちは。k.otsukaです。
Oracle CloudのDBCS(Database Cloud Service)のメトリックが監視できるようになった!という記事を書いてから3ヶ月経ちました。時間が過ぎるのは早いですね…。
本記事は、データベース管理ことOracle Database Management(以下、ODM)とは何なのか、費用感や使用感、Oracle Enterprise Managerとの比較等、機能の紹介をメインにした記事となります。
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目次
データベース管理(Oracle Database Management)とは
概要
Oracle Cloud(以下、OCI)でOracle Database(以下、OracleDB)の管理ができるサービスとなります。パフォーマンス管理やチューニングといったデータベースの管理など、Oracle Enterprise Manager(以下、EM)で実施していた操作をエーレジェントレス且つOCI上で実施可能なので、オンプレミス環境のOracleDB含む複数のOracleDB環境を管理している管理者の負荷軽減に役立つサービスとして注目しています!
「完全管理」と「基本管理」
ODMには2種類の管理方法があります。
・完全管理…ODMで提供されている全ての管理機能が使用可能
・基本管理…CDBのメトリックモニタリングやSQLモニタリング等限定的な機能が使用可能
基本管理は無料で利用することができます。
DBCSを構築したら一旦設定しておくという運用は今後実施すると良いかなと思います。
EMとの比較
OracleDBを管理するという点で、今後EMと比較することが多くなると思います。EMのほうが機能数は多いので単純比較は難しいですが、思いついた観点で比較してみました。
比較対象 | Oracle Database Management | Oracle Enterprise Manager |
料金 ※1日稼働を前提 | 115円 ※1台1OCPU当たり | 180円 ※1(OCPU)+16GB(Mem)+400GB(storage) |
料金単位 | ・登録する台数 ・「完全管理」or「基本管理」 ・ボールト(キー管理) | サーバのスペック |
サービス管理者 | オラクル | ユーザ |
管理範囲 | ・CDB ・PDB 2023/01/16_PDBも対応! | ・CDB ・PDB ・ホスト |
DBCSに限った形で総括すると、管理範囲や料金を見据えるとEMを導入したほうが良いのではと思ってしまいますね。DBCSをオンプレミス環境のように外部データベースとして登録することでPDBも管理可能になるので、そこの手間とEMサーバ構築(サーバ運用)の手間の天秤になるかなと思います。
個人的には、EMサーバの構築や運用は面倒くさいと思ってしまうので、ODMを採用しちゃいたいですね。
機能紹介
ODMで管理できる機能を簡単に紹介していきます。
下記紹介の機能は「完全管理」を選択した場合の機能となりますので、ご注意ください。
フリート監視
登録したOracleDBを「コンパートメント単位」もしくは「データベース・グループ」単位で、視覚的に監視/管理することができる機能です。この画面を見るだけで、OracleDBの正常稼働や負荷状況などを確認することができます。
管理データベースの詳細
サマリー
登録したOracleDBのCPU使用率やメモリー使用率含むリソースの使用状況を確認することができます。ストレージの割当量も確認することができるので、ストレージ拡張の目安にもなるかと思います。
表領域
OracleDB内で利用している表領域の内訳とその使用容量を確認することができます。こちらも、表領域の拡張の目安として利用できるかと思います。
ユーザー
OracleDBユーザの一覧を確認することができます。ロックされていたロック解除…といったことはできないみたいですが、付与されているロールの確認や権限を簡易的に確認することができます。
データベース・パラメータ
初期化パラメータを変更することができます。変更時には、変更ができる権限を持ったユーザの情報を改めて入力する必要がありますが、EMが無い状況だとCLIで確認/設定をしなければならなかったので、かなり重宝しそうです。
ジョブ
OracleDBに登録しているジョブの管理をすることができます。(本記事ではジョブの登録ができていないので、詳細は確認できていませんが、きっとスケジュール確認とかできると思っています。ジョブ登録後、追記与予定…)
パフォーマンス・ハブ
「完全管理」に加え、OracleDB内で必要な権限を振った場合に利用できる機能です。どの時間帯にどのユーザがどんなSQLを実行したことでどうなったのか、などなどOracleDBの詳細なパフォーマンスを確認することができます。
※本機能は「Enterprise Edition」のみ対応
AWRエクスプローラ
「完全管理」に加え、OracleDB内で必要な権限を振った場合に利用できる機能です。
OracleDBの実行統計分析データ(StatsPackレポートとも呼ばれてます)の確認及び取得をすることができます。
※本機能は「Enterprise Edition」のみ対応
診断【2022/06/27追記】
管理対象データベースのアラートログを確認することができる機能です。alert.xmlファイルを参照しデータベース管理に出力されています。
番外編_データベース・ツール
ODMとは別の機能ですが、EMとの比較機能として、画面上でSQLを実行する機能が「データベース・ツール」という名前であります。この機能も無料で提供されているので、ぜひ使ってみてください。
終わりに
簡単な機能紹介記事となりましたが、基本的には、これらの機能が低価格(?)且つマネージメントフリーで利用することができます。EMでもこれらの機能はもちろん提供されておりますが、その他細かい機能は使わなかったり、サーバの構築や運用を考えると、ODMは非常に便利なOracleDB管理サービスと言えるかなと思います。
本当に残念なのがエージェントレスによるDBCS登録において「PDB」が対応していないこと…。初期化パラメータの設定については役に立ちそうですが、その他機能は主に「PDB」で利用したい機能なので、早く対応してくれることを心から願っています。 【追記_2023/01/16】PDBも対応しました!!!
データベース管理とは関係ありませんが、「データベース・ツール」というOCI管理コンソール画面からDBCSにSQLを投げることができる機能も登場しています。管理コンソール画面上で全ての管理ができた日には運用もかなり楽になるだろうなと思うので、Oracle Cloudには今後も期待していきます!