Oracle Cloud Infrastructureの好きな機能はLoggingとコンパートメントのk.sasakiです。
先日、Oracle Cloud InfrastructureのLoggingAnalyticsと Loggingの連携が強化され、よりシンプルな構成でログ分析を利用できるようになりました。
オラクルでログやログ分析というと、OracleManagementCloudのLogAnalitycsを思い浮かべる方も多いと思いますが、それとは別にOracle Cloud Infrastructureにログ分析サービスが統合されてLoggingAnalyticsとして提供されています。
LoggingAnalyticsと連携するLoggingについてはOCI Advent Calendar 2020にも記事が複数上がるくらい話題になりました。(1件は弊社ですが。。)
今回は 連携強化されたポイントとLoggingの機能について概要をご紹介します。
OCI LoggingAnalyticsとの連携強化ポイント
昨年Loggingと LoggingAnalyticsについて検証していたのですが、リリース時点では以下のような点が不満でした。
- LoggingAnalyticsとの連携には一旦オブジェクトストレージを経由する必要がある
- Loggingで取得したログ用のパーサがLoggingAnalytics側のプリセットのパーサに用意されていない
それが今回のリリースでオブジェクトストレージを経由せずにLoggingのログをLoggingAnalyticへ取り込めるようになり、さらにパーサも追加されました!
ServiceConnectorHubのターゲットにLoggingAnalyticsが追加
LoggingAnalyticsに Logging用のパーサが追加
これで ログを収集は Loggingで行い、保管はオブジェクトストレージ、分析はLoggingAnalyticsで行うという流れを実現しやすくなりました。
OCI Logging Overview
OCI Loggingはログの一元管理サービスで、2020年にOracle Cloud Observability and Management Platformファミリーの一員として発表されて話題となりました。
- オラクルエンジニア通信 Oracle Cloud Infrastructure Loggingの正式リリース
- オラクルエンジニア通信 Oracle Cloud observability and management platform発表
ブログ記事ではLoggingで
- システムのすべてのログを集められます
- 集めたログを保管、検索できます
- ログをもとに他のサービスと連携できます
ということが紹介されています。実際に設定してみると、設定項目はそれほど多くなく、敷居が高くないと感じました。
以下簡単にですが、Loggingを構成する要素についても触れますので、より具体的にイメージしていただけるかと思います。
検索機能
Logging単体でも検索機能があり、直感的にGUIで問い合わせを行うことや、SQLライクな独自構文を使用することで高度な問い合わせを行うことができます。
検索結果をグラフ化する機能や検索条件の保存もできるので利用ケースによってはLogging単体で完結することも可能です。
サービスログ
サービスログ、ネットワークやオブジェクトストレージのアクセスログなど。サポートされるサービスはこちら。オブジェクトストレージのアクセスログについてはブログでも紹介しています。
カスタムログ
OSSのfluentdをベースとしたエージェントにより、数分おきに指定したログを収集します。エージェントは新しいイメージであれば作成時からインストール済みです。WindowsやOracleLinuxに対応しています。対応OSはこちら。
監査ログ
OCI上の操作ログでもともと「ガバナンスおよび管理」のメニューに存在しましたが、Loggingに統合されました。
ロググループ
ログをまとめた単位で、ログはいずれかのロググループに紐付ける必要があります。ロググループ単位でコンパートメント間の移動が可能です。
エージェント構成
カスタムログで使用する各エージェントの設定をGUIで行うことができます。1つのエージェント構成に対してインスタンスを複数指定したり、ログを複数指定したりすることができます。
サービスコネクタ
Oracle Cloud Observability and Management Platformファミリーの一員のService Connector Hubを指します。Loggingで収集したログについて条件を指定して LoggingAnalyticsへ渡したり、オブジェクトストレージに保存したりすることができます。
- オラクルエンジニア通信 Oracle Cloud Infrastructure Service Connector Hubの正式リリース
- オラクルエンジニア通信 Oracle Cloud Infrastructure Logging Analytics 提供開始
まとめ
以上簡単にですが、強化されたポイントと、 Loggingについてざっと触れさせていただきました。
LoggingAnalyticsとの連携強化によって、各サービス単体ではなく、Oracle Cloud Observability and Management Platformとして各サービスがどのように連携していくのかという具体的なアーキテクチャが提供されたと思います。今後も評価を継続してご紹介できればと思います。
Loggingについては評価していて気になった点がまだまだあるため、検索機能とカスタムログについてピックアップして別途ご紹介する予定です。