プロジェクト概要
背景・課題
オフィス家具業界において、グリーン購入法の改訂により政府による公共調達でCFP(カーボンフットプリント)算定製品が優遇されるようになりました。お客様企業では、官公庁・自治体市場での売上への影響が懸念され、CFPデータの効率的な管理・活用が急務となっていました。
従来、製品のCO2排出量算定に必要な材質重量データはExcelベースで管理されており、営業部門への情報提供が困難な状況でした。
システム目的
- 製品のCFPを効率的に営業部門に提供
- 調達・生産・流通・廃棄の全プロセスのCO2排出量を一元管理
- 子記号から親記号への自動積算機能
- 排出量原単位係数(IDEA係数)のマスタ化
システム構成・機能
技術構成
- インフラ: Oracle Cloud Infrastructure(OCI)
- データベース: Oracle Base Database Service
- 開発プラットフォーム: Oracle APEX
- 既存システム連携: オンプレミス上のOracleデータベース(商品マスタ、展開マスタ)
主要機能
1. データ管理機能
- 製品原単位量登録: CSV形式での一括登録・個別修正
- CO2排出量積算: 子記号から親記号への自動積算処理
- IDEA係数管理: 排出量原単位係数のマスタ化
- 公開・非公開設定: メンテナンス中データの誤公開防止
2. 営業支援機能
- CO2排出量参照画面: 営業部門向けの検索・確認機能
- データダウンロード: 必要なデータのCSV出力
- 権限管理: 管理者・ユーザー・参照のみの3段階権限
3. 運用支援機能
- バッチ処理: 夜間での積算処理実行
- データ同期: 既存システムとの自動連携
- 入力フォーマット対応: 複数の部門別フォーマットに対応
開発体制・スケジュール
プロジェクト体制
- お客様側: CSR推進室、生産本部、営業本部、DX推進本部
- 弊社側: 開発部門(社員および技術パートナー)
開発スケジュール
- 要件定義: 2023年9月(3週間)
- システム構築: 2023年10月-12月(3ヶ月)
- 稼働開始: 2024年1月
プロジェクト管理にはBacklogを活用し、課題の一覧化、担当者・期日の明確化、意思決定プロセスの記録を実現しました。
成果・効果
業務効率化
- データ入力時間の短縮: Excel管理からシステム化により大幅な効率化
- 営業支援強化: リアルタイムでのCO2排出量参照が可能
- データ精度向上: 自動積算機能により計算ミスを防止
今後の展開
- BOMレベル積算: 工場の部品表レベルでの詳細積算機能
- バージョン管理: データ履歴の管理機能
- 更新履歴管理: 変更追跡機能
- AI活用: 不足データの自動算出機能